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日本で起業する人のための税務基礎ガイド:事業者が押さえるべき税金の全体像(2025年最新版)

法人税、消費税、所得税、住民税、社会保険まで、日本で起業する方向けに税務の全体像を整理します。節税の考え方とビザへの影響も解説します。

出入国在留管理庁公開資料に基づいて作成

日本で会社を設立するとき、最も頭を悩ませやすいのは、オフィス探しでもビザ取得でもなく、税金です。

すでに経営・管理ビザを取得し、会社設立を終え、銀行口座も開設できたとしても、その後には法人税、住民税、事業税、消費税、所得税など、さまざまな税務対応が待っています。それぞれ税率も申告期限も計算方法も異なります。

心配しすぎる必要はありません。この記事では、日本で起業した後に必要となる税務の全体像を、最初から順を追って整理します。具体的な税務アドバイスそのものは税理士の領域ですが、少なくとも「何のお金が、いつ、どこへ出ていくのか」は把握できるようになります。


起業後にかかる税金の全体像

日本で会社を経営すると、税負担は大きく法人(会社)側個人側の2層に分かれます。起業したばかりの方が混乱しやすいのは、この2つが別物である点です。まずは全体像から整理します。

法人にかかる税金

会社(株式会社または合同会社)には、主に次の税金がかかります。

税目日本語納付先イメージ
法人税法人税(ほうじんぜい)国税庁・税務署会社版の所得税
法人住民税法人住民税都道府県・市区町村法人の所在地に対してかかる税金。赤字でも一部発生
法人事業税法人事業税都道府県事業活動に対して課される税金
消費税消費税(しょうひぜい)国税庁・税務署日本の付加価値税に相当。一定条件で課税

個人にかかる税金

経営者自身が会社から役員報酬を受け取る場合、その報酬は個人所得として課税されます。

税目日本語概要
所得税所得税(しょとくぜい)所得に応じた累進課税で、5%〜45%
住民税住民税(じゅうみんぜい)前年所得を基準に、おおむね10%
復興特別所得税復興特別所得税所得税額の2.1%。2037年まで課税

社会保険料

社会保険料は厳密には税金ではありませんが、加入が義務であり、金額も大きくなりがちです。一般的には給与の約30%前後を会社と本人で折半し、それぞれ約15%ずつ負担します。後ほど詳しく説明します。

要するに、会社の利益には法人税、役員報酬には所得税、日々の取引には消費税、そして給与には社会保険料がかかる、という理解で問題ありません。


法人税の基本

法人税は、会社の利益に対して課される中心的な税金です。個人の所得税に対応する、法人版の税金と考えると分かりやすいです。

税率

2025年時点の法人税率は次のとおりです。

条件税率
資本金1億円以下の中小法人で、年800万円以下の所得部分15%
資本金1億円以下の中小法人で、年800万円超の所得部分23.2%
資本金1億円超の大法人23.2%

多くの外国人起業家が日本で設立する会社は、資本金が500万円〜3000万円程度であることが多く(2025年10月以降のビザ新基準では3000万円が基準。詳細は申請条件を参照)、通常は中小法人に該当します。そのため、所得800万円以下の部分については15%の軽減税率が適用されます。

実際の税負担は法人税だけではない

ここで誤解しやすいのが、実際の税負担は法人税率15%または23.2%だけでは終わらない点です。法人住民税や法人事業税も重なるため、体感上の負担はそれより高くなります。

**実効税率(法人税、法人住民税、法人事業税の合計)**の目安は、おおむね次のとおりです。

  • 年400万円以下の所得: 約 22%〜25%
  • 年400万円〜800万円の所得: 約 25%〜27%
  • 年800万円超の所得: 約 34%〜36%

実効税率は自治体によって多少異なり、東京都ではやや高めになる傾向があります。

計算の考え方

法人税は売上高ではなく、課税所得を基準に計算します。

課税所得 = 収益(益金) - 損金
法人税額 = 課税所得 × 税率

重要なのは、何を損金として計上できるかです。家賃、人件費、事務用品費、交通費、一定範囲の交際費など、事業に必要な支出は経費として差し引けます。これが後ほど触れる節税の基本にもなります。

赤字でもかかる税金: 均等割

起業直後に見落とされがちなのが、会社が赤字でも、法人住民税の均等割は発生するという点です。

均等割は、会社の利益ではなく、資本金や従業員数に応じて定額で課される税金です。

資本金1000万円以下、従業員50人以下の小規模法人であれば、一般的な目安は次のとおりです。

  • 都道府県民税の均等割: 約 20,000円/年
  • 市区町村民税の均等割: 約 50,000円/年

合計すると、少なくとも年間約7万円は必要になります。会社を設立した時点で発生する、いわば最低限の維持コストです。東京23区では都税と区税の扱いがやや異なりますが、総額のイメージは大きく変わりません。

決算と申告の期限

法人税の申告期限は、事業年度終了日の翌日から2か月以内です。

たとえば決算日が3月31日であれば申告期限は5月31日、12月31日決算であれば2月末が目安になります。

💡 ポイント: 日本では決算月を自由に設定できます。3月決算である必要はありません。決算月の選び方は、後半の「決算と申告の流れ」で説明します。


消費税

消費税は、起業したばかりの方が特に見落としやすく、実務上のトラブルも多い税目です。

基本税率

2025年時点の消費税率は次のとおりです。

  • 標準税率: 10%(国税7.8%、地方消費税2.2%)
  • 軽減税率: 8%(飲食料品や新聞などが対象。国税6.24%、地方消費税1.76%)

飲食業や食品関連事業では、この軽減税率の判定が特に重要です。たとえばテイクアウトは8%、店内飲食は10%となるため、現場運用で混乱しやすい論点です。

免税事業者と課税事業者

消費税を理解するうえで最も重要なのが、免税事業者課税事業者の区別です。

免税事業者: 原則として消費税の納税義務がない事業者
課税事業者: 消費税を申告・納付する必要がある事業者

判定基準の基本は、基準期間の課税売上高が1000万円を超えるかどうかです。

  • 基準期間 = 原則として前々事業年度
  • 基準期間の課税売上高が 1000万円以下 → 免税事業者
  • 基準期間の課税売上高が 1000万円超 → 課税事業者

また、特定期間(前事業年度の前半6か月)の課税売上高または給与等支払額が1000万円を超える場合も、課税事業者になる可能性があります。

新設法人の特例は次のとおりです。

  • 資本金1000万円以上で設立した新設法人は、第1期から課税事業者
  • 資本金1000万円未満で設立した新設法人は、原則として最初の2期は免税事業者

そのため、創業時に資本金を1000万円未満、たとえば999万円や500万円に抑えるのは、消費税の観点でも一定の合理性があります。

インボイス制度

2023年10月に始まった適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度は、小規模事業者に大きな影響を与えました。

簡単に言えば、免税事業者のままでは適格請求書発行事業者として登録されず、請求書に登録番号を記載できません。その場合、取引先が課税事業者であっても、あなたの請求書を使って仕入税額控除を受けられません。結果として、B2B取引では敬遠されることがあります。

そのため、売上高が1000万円以下でも、自ら課税事業者を選択してインボイス登録する判断が必要になる場合があります。これは慎重に比較すべきテーマです。

  • 取引先の中心が**法人(B2B)**の場合: 未登録だと取引機会を失いやすい
  • 取引先の中心が**個人消費者(B2C)**の場合: 影響は比較的小さい

2025年時点では、2割特例(インボイス登録に伴う経過措置)が適用されています。もともと免税事業者だった事業者がインボイス登録により課税事業者となった場合、納税額を売上税額の**20%**で計算できます。適用期限は2026年9月30日を含む課税期間までです。


個人の所得税と住民税

会社は法人ですが、経営者本人は自然人です。会社から受け取る役員報酬は、個人所得として所得税・住民税の対象になります。

役員報酬の税務上の扱い

役員報酬には、税務上の重要な原則として定期同額給与があります。

つまり、毎月の役員報酬は原則として一定額である必要があります。今月は50万円、来月は20万円というように変動すると、その超過部分が会社の損金として認められない可能性があります。そうなると、会社側でも個人側でも課税され、結果的に二重に不利になります。

改定できる時期は、原則として各事業年度開始から3か月以内です。たとえば4月開始の会社であれば、4月から6月の間に見直すのが基本です。

所得税の累進税率

2025年時点の個人所得税率は次のとおりです。

課税所得税率控除額
195万円以下5%0
195万円超〜330万円以下10%97,500
330万円超〜695万円以下20%427,500
695万円超〜900万円以下23%636,000
900万円超〜1,800万円以下33%1,536,000
1,800万円超〜4,000万円以下40%2,796,000
4,000万円超45%4,796,000

これに加えて復興特別所得税と、約10%の住民税がかかります。そのため、役員報酬を高く設定しすぎると、個人側の税負担はかなり重くなります。法人税とのバランスを取ることが重要です。

確定申告

会社からの役員報酬しかなく、会社側で年末調整が完了している場合は、原則として個人で確定申告をしなくても足ります。

ただし、次のような場合は確定申告が必要です。

  • 年収が2,000万円を超える
  • 2か所以上から収入がある
  • 副業所得が20万円を超える
  • 海外所得や海外資産がある
  • 医療費控除など、自分で申告しないと適用できない控除がある

申告期間は毎年2月16日から3月15日までで、前年1月から12月までの所得を申告します。

住民税

住民税の特徴は、前年所得に基づいて翌年に課税されることです。一般的には約10%で、翌年6月から翌々年5月にかけて納付します。

たとえば、2025年の所得に基づく住民税は、2026年6月から納める形になります。

会社から給与を受けている場合、通常は会社が給与から天引きして納付する特別徴収になります。実務上はこの方法が最も一般的で、納め忘れも防ぎやすいです。

よく使われる所得控除

起業家が個人側で活用しやすい主な所得控除は次のとおりです。

  • 基礎控除: 48万円(合計所得金額2,400万円以下)
  • 配偶者控除・配偶者特別控除: 最大38万円(配偶者の所得条件あり)
  • 扶養控除: 1人あたり38万円〜63万円(16歳以上の扶養親族)
  • 社会保険料控除: 支払った保険料を全額控除
  • 生命保険料控除: 最大12万円
  • 小規模企業共済等掛金控除: 掛金を全額控除
  • 医療費控除: 年間医療費が10万円を超える部分

これらを適切に使うことで、課税所得を相応に圧縮できます。


社会保険: 税金ではないが避けられないコスト

起業時は税金ばかりに目が向きがちですが、実際には社会保険料の負担が税金以上に重く感じられることも少なくありません。

法人は社会保険加入が原則必須

日本では、株式会社や合同会社などの法人は、原則として社会保険への加入が必要です。これは任意ではありません。たとえ自分1人だけの会社であっても、役員報酬を受け取るなら、厚生年金保険と健康保険に加入する必要があります。

保険料率と負担割合

2025年時点のおおよその保険料率(東京都の協会けんぽを例にした目安)は次のとおりです。

項目合計料率会社負担本人負担
健康保険(介護保険含む、40歳以上)約11.6%約5.8%約5.8%
健康保険(40歳未満)約10.0%約5.0%約5.0%
厚生年金18.3%9.15%9.15%

合計すると、会社と本人がそれぞれ約15%前後を負担します。

たとえば、月額50万円の役員報酬を設定した場合の目安は次のとおりです。

  • 本人負担: 約7.5万円/月(給与から控除)
  • 会社負担: 約7.5万円/月(会社の追加支出)
  • 月あたり総額: 約15万円

1人会社では、会社負担分も最終的には自分が負担しているのと近いため、実感としては約30%の負担に見えることもあります。

経営者本人の社会保険

代表取締役など会社役員が加入するのは、厚生年金保険と**健康保険(協会けんぽまたは組合健保)**であり、国民年金や国民健康保険ではありません。

メリットとしては、次の点があります。

  • 将来受け取れる年金額が、国民年金のみの場合より大きい
  • 傷病手当金を利用できる
  • 出産手当金を利用できる

一方のデメリットは次のとおりです。

  • 保険料が高く、会社負担分も含めると実質的な負担感が重い

⚠️ ビザとの関係で重要: 社会保険の納付実績は、在留期間更新永住申請の審査で重視されます。保険料の未納や滞納があると、更新不許可の大きな要因になり得ます。必ず期限どおり納付してください。


節税の基本的な考え方

最初に明確にしておくと、合法的な節税脱税はまったく別です。節税は法令の範囲内で行う合理的な調整ですが、脱税は違法であり、加算税や重加算税、場合によっては刑事責任の対象にもなります。

ここでは、起業家が押さえておくべき基本的な節税の考え方を整理します。

役員報酬の設計

これは、起業家にとって最も重要な節税ポイントの1つです。法人税と個人所得税では税率構造が異なるため、会社にどれだけ利益を残し、どれだけ役員報酬として受け取るかで、総負担は大きく変わります。

基本的な考え方は次のとおりです。

  • 法人の実効税率はおおむね25%〜35%
  • 個人の所得税と住民税の合計は、課税所得330万円以下なら概ね20%前後、695万円を超えると33%超になりやすい
  • 個人側の税率が法人側より低いなら、報酬を厚めに取る方が有利な場合がある
  • 逆に個人側の税率が高いなら、会社に利益を残す方が有利なこともある

ただし、役員報酬を増やすと社会保険料も上がります。税金だけでなく、社会保険を含めた総額で判断する必要があります。

最適な役員報酬額は、家族構成や他の所得、社会保険の等級などで変わります。実務では税理士にシミュレーションしてもらうのが安全です。

経費を適切に使う

事業に必要な支出を適切に経費計上すれば、課税所得を減らせます。代表的な例は次のとおりです。

  • 事務所家賃(自宅兼事務所であれば按分計上。詳細は賃貸ガイドを参照)
  • 通信費(携帯電話、インターネットの業務利用分)
  • 交通費
  • 接待交際費(中小法人は年800万円まで全額損金算入可能)
  • 旅費交通費(一定の出張日当は非課税扱いが可能)
  • 研修費・書籍費
  • 車両関連費(業務利用部分は減価償却等の対象)

⚠️ 重要: 経費として認められるのは、あくまで事業に関連する実際の支出だけです。領収書や請求書などの証憑保存も必要です。私的な支出を経費に混ぜるのは典型的な否認リスクであり、税務調査で問題になります。

小規模企業共済

小規模企業共済は、中小企業基盤整備機構が運営する制度で、個人事業主や小規模法人の役員にとって、いわば退職金準備制度のような位置づけです。

  • 月額掛金: 1,000円〜70,000円(500円単位で変更可能)
  • 掛金は全額所得控除
  • 年間の最大控除額: 84万円

合法的な節税策として非常に効果が高く、未加入であれば検討する価値があります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoの掛金も全額所得控除の対象です。会社役員など第2号被保険者の上限は通常、月23,000円(年276,000円)です。節税効果は大きくありませんが、着実に使える制度です。

⚠️ 節税しすぎるとビザ更新に不利になることがある

これは日本で起業する外国人に特有の注意点です。税理士からは積極的に説明されないこともあります。

経営・管理ビザの更新審査では、入管は会社の経営状況も確認します。節税を優先しすぎて利益を極端に圧縮したり、毎年赤字にしたりすると、税額は減っても、事業の安定性・継続性に疑義があると判断されるおそれがあります。

つまり、節税とビザ更新のしやすさにはバランスが必要です。数万円の税負担を抑えるために、決算書上の見え方を悪化させすぎないことが重要です。更新時の必要書類については、更新書類ガイドも参考にしてください。


決算と申告の流れ

決算月の選び方

日本の法人は、事業年度の末日、つまり決算月を自由に設定できます。中国のように12月31日に固定されているわけではありません。よくある選択肢は次のとおりです。

  • 3月決算: 日本で最も一般的。ただし税理士の繁忙期と重なりやすく、費用や対応スピードに影響することがある
  • 12月決算: 個人の所得税の年単位と一致するため理解しやすい
  • その他の月: 6月、9月などにして繁忙期を避ける方法もある

選ぶ際の考え方は次のとおりです。

  • 特別な理由がなければ3月決算を避けるのも合理的
  • 自社の繁忙期を避け、資料準備しやすい時期を決算月にする
  • 消費税の免税期間をできるだけ長く取れるよう、設立月との関係も考える

年間スケジュール

たとえば、12月決算(1月〜12月が1事業年度)の会社であれば、年間の流れは概ね次のとおりです。

時期内容
1月〜12月日常の記帳、毎月の源泉所得税対応
12月31日決算日
1月帳簿整理、決算資料の準備
1月31日法定調書提出、償却資産申告
2月16日〜3月15日個人の確定申告期間
2月28日法人税、法人住民税、法人事業税、消費税の申告・納付期限

3月決算の場合、法人税の申告期限は5月末になるため、個人の確定申告シーズンと多少ずらしやすいという利点があります。

税理士の役割と費用感

実務上、日本で法人を運営しながら税務をすべて自力で処理するのは、かなり難しいのが現実です。

税理士は税務の専門資格者で、主に次のような業務を担います。

  • 日常の記帳代行
  • 月次決算・年次決算
  • 法人税申告書の作成と提出
  • 個人の確定申告
  • 税務調査対応

2025年時点の費用目安は次のとおりです。

サービス内容月額 / 年額の目安
顧問料(月次)20,000円〜50,000円 / 月
記帳代行5,000円〜15,000円 / 月
年次決算・申告100,000円〜200,000円 / 年
個人確定申告30,000円〜50,000円 / 年
税務調査対応別途見積もり

1人会社であれば、年間の税理士費用はおおむね30万円〜80万円程度に収まることが多いです。金額は取引量や業種、記帳の複雑さで変わります。

💡 実務上のおすすめ: 外国人経営者の対応実績がある税理士事務所を選ぶと進めやすいです。言語面だけでなく、経営・管理ビザ保有者特有の論点、たとえば節税と在留資格更新のバランスを理解しているかが重要です。


よくある質問(FAQ)

Q1: 会社を作ったばかりで売上がありません。税金はかかりますか?

法人住民税の均等割は発生します。目安として年間約7万円です。これは売上や利益の有無にかかわらず、会社が存在するだけで必要になります。一方、法人税や消費税は、利益や課税要件がなければ通常は発生しません。

Q2: 節税のために、自分に役員報酬を出さないことはできますか?

制度上、役員報酬を0円にすること自体は可能です。ただし、生活費の説明が難しくなり、入管審査でも不自然に見えやすくなります。また、無報酬だと社会保険加入との関係でも不利に働く可能性があります。実務上はおすすめしません。

Q3: 消費税はいつから納めることになりますか?

典型的なのは、基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1000万円を超えた場合です。資本金1000万円未満の新設法人であれば、原則として最初の2期は免税事業者です。ただし、インボイス登録をした場合は、登録日以後は課税事業者になります。

Q4: 自分で帳簿をつけても問題ありませんか?

法律上、必ず税理士に依頼しなければならないわけではありません。ただし、法人税申告書は非常に複雑で、専門知識なしに正確に作成するのは困難です。少なくとも決算・申告だけでも税理士へ依頼することを強くおすすめします。日常の記帳は freeeマネーフォワード などのクラウド会計ソフトで対応し、コストを抑える方法があります。

Q5: 赤字は翌年以降の利益と相殺できますか?

できます。法人の欠損金は、原則として最長10年間繰り越して将来の所得と相殺できます。ただし、その権利を維持するには、赤字年度であっても毎年期限内に法人税申告を行う必要があります。

Q6: 中国にも所得があります。日本で申告が必要ですか?

日本の居住者に該当する場合(日本に住所がある、または1年以上居所がある場合など)、原則として全世界所得が日本の申告対象になります。ただし、日本と中国の間には租税条約があり、中国で納めた税額については外国税額控除を使える場合があります。実際の判定は複雑なので、税理士への相談が必要です。

Q7: 税務調査はよく入りますか?

税務調査は、理論上どの法人にも入り得ます。中小企業では数年に一度の頻度で対象になることもあれば、長期間対象にならないこともあります。日頃から帳簿と証憑を整えておけば、過度に恐れる必要はありません。調査の通知を受けた場合は、税理士に同席を依頼するのが一般的です。

Q8: 経営・管理ビザの人だけ、税務上の特別ルールはありますか?

税率や税目について、国籍による特別扱いはありません。ただし、ビザ更新時には納税証明書や社会保険の納付状況が審査対象になります。未納や滞納は不利です。将来永住許可を目指す場合は、過去5年間の納税・社会保険の記録をきれいに保つことが非常に重要です。

Q9: 法人と個人事業主では、税務上どのような違いがありますか?

大きな違いは、法人税が比較的フラットな税率構造(15% / 23.2%)であるのに対し、個人の所得税は5%〜45%の累進課税である点です。所得が大きくなるほど、法人化の方が有利になる場面が増えます。加えて、信用力、経費計上の範囲、社会保険制度の扱いにも違いがあります。経営・管理ビザでは通常、法人設立が前提になるため、詳しくは申請条件も確認してください。

Q10: 中国語対応ができる税理士はどう探せばよいですか?

当サイトで個別の税理士紹介は行っていませんが、在日中国人向けコミュニティ、税理士紹介サービス、または行政書士からの紹介などが一般的な探し方です。選ぶ際は、外国人経営者の顧問経験があるか、経営・管理ビザ特有の論点を理解しているか、コミュニケーションに支障がないかを重視してください。


まとめ

日本の税務は確かに複雑ですが、骨格だけを押さえるなら次の3点です。

  1. 会社の利益には法人税、自分が受け取る報酬には所得税がかかる
  2. 消費税は売上規模や登録状況によって課税関係が決まる
  3. 社会保険料は給与に連動し、原則として避けられない

日本で起業する外国人にとっては、さらに税務と在留資格が連動するという視点が重要です。納税実績は更新審査に影響し、利益を圧縮しすぎると事業の継続性評価にも響く可能性があります。そのため、税理士と行政書士の両方の視点を踏まえて進めるのが安全です。

税務処理は専門家に任せ、自分は事業を伸ばすことに集中する。その分担ができると、日本での起業はかなり進めやすくなります。

免責事項: 本記事は2025年時点の税制を前提に整理した一般的な情報であり、個別の税務アドバイスを目的とするものではありません。制度や税率は改正されることがあるため、実際の対応にあたっては有資格の税理士へご相談ください。

📎 出入国在留管理庁公開資料に基づいて作成

最終更新:2026-03-02